マンガは作者と読者の間に。

最近話題のWebマンガを読んだ。
「T京K芸大学マンガ学科一期生による大学四年間をマンガで棒に振る」
http://bit.ly/ghIC5O

かなり好きだ。
以下ネタバレあり感想なので、リンク先を読んでから読んで欲しい。

一言で言うと、自意識をこじらせてしまう過程を克明に描いたマンガ。
マンガでも何でも、「表現」はみんなそうだと思うのだけど、「作り手=作者」と「受け手=読者」がいて成立する。
「自分が面白いと思うものを書きたい」と言う場合、自分が読者であり作者である。
「誰かを楽しませたい」という場合は、より具体的な読者像・・・身近な友達を仮想の読者にして、楽しませる話を考えるという手法もある。
何を言っているのかというと、この話の主人公は「読者」を最後までイメージできてなかったんじゃないのかなぁ。最初と最後に出てくる「俺、マンガ好きだから」ってキャラが象徴的だと思うのだけれど、「マンガ志望者がちゃんと見なきゃいけない読者」ってアイツだったりするんじゃないかなと思う。
「マンガ」が、「描きたい」って欲望でも(自分が読者)、「読ませたい」って表現でも(他人が読者)なく、「こうなりたい」という一発逆転の自己実現の手段になってしまってたのが痛々しかった。
自己実現の手段になっているから、ボツを極度に恐れているし、一作に賭けて「全ての人を納得させらるような凄いマンガ」を目指してしまうんだよなぁ。

ブリーチの何巻かは忘れたけど、「心は2人の間にある」ってセリフが好きだ。
ルキアがアーロニーロと闘って、海燕との過去を回想するシーンだったと思う。

BLEACH 48 (ジャンプコミックス)

BLEACH 48 (ジャンプコミックス)

「心は1人だけじゃ生まれない。俺とお前、その間にあるのが心だ」っていうようなセリフがあって。
マンガでも同じことが言えるんじゃないかなー?